CASE
熊本県 教育委員会
学校徴収金管理業務の標準化と教職員の負担軽減を目指し、2022年4月より県立学校全校にて「KDS学校会計クラウド」の運用を開始しました。事務職員や教員の声を交え、現場での改善成果や効果をご紹介します。

導入の経緯
学校ごとに徴収金の管理方法がバラバラ手作業や属人化が生む、現場の“見えない負担”を解消したい
―導入の背景と抱えていた課題について
熊本県教育委員会では、教育分野における働き方改革とICT教育の推進を目的に、2020年から校務の情報化に取り組んできました。なかでも学校徴収金の管理は、学校ごとに手順や方法が異なり、現金管理や銀行訪問、会計処理の煩雑さが課題でした。業務の属人化や負担の偏りに加え、誤入金や徴収漏れのリスクもあり、保護者への説明責任を果たす上でも大きな負担となっていました。
こうした課題を解消し、県立学校全体での標準化を進めるため、2022年4月よりシステムを活用した統一運用を開始しました。

―導入にあたって工夫した点
前年度にはモデル校で試行運用を行うとともに、他校にもデモ環境を提供して操作体験を広げ、現場の意見を反映しながら改善を進めました。専用ヘルプデスクによる支援体制を整え、口座振替の原則化も実施することで、現金管理に伴うリスクの低減にも取り組みました。
その結果、事務職員の作業効率は大きく向上し、教員も帳票作成や金額照合といった業務負担も軽減。現場では確かな改善効果が生まれています。(学校人事課 主幹 渡辺 美帆氏)
事務職員・教員の声 「現場に生まれた変化」
事務職員
初心者でも使いやすく
日々の処理が効率的に
「直感的に操作でき、初心者でも迷わず使えます。残金確認や返金処理も短時間で完了し、入力ミスも減少。困ったときに相談できる専用ヘルプデスクがあるのも安心です」
事務長
統一ルールで管理が一元化
引継ぎも円滑に
「導入後は教員の事務作業がほぼゼロに。異動時の引継ぎもスムーズになりました。事務職員とシステムが両輪となって業務改善を実現し、現場の負担は大幅に軽減されています」
教員
事務に追われず
生徒に向き合う時間が増えた
「現金を扱う必要がなくなり、銀行手続きも不要。以前は資料作成に追われていましたが、現在は年間100時間以上削減できており、生徒と向き合う時間が増えました」
※コメントは熊本県立熊本工業高等学校へのヒアリングに基づいています。
今後の展望
透明性の向上と段階的キャッシュレス化より安全で安定した学校運営の実現を目指す
―教育人事課として描いている今後のビジョンについて教えてください
システムの運用状況や効果を積極的に発信することで、他校や市町村への導入拡大を促し、教職員の働き方改革をさらに推進していく予定です。事務職員が少ない学校でも同様の仕組みを導入することで、負担軽減や業務効率化につながると考えています。
また、会計処理の透明性向上により、会計不備などのリスクも低減し、より安全で安定した学校運営が可能になります。キャッシュレス化が難しい業務についても、段階的に対応を進めながら、学校徴収金業務全体の効率化を推進してまいります。
(学校人事課 課長補佐 森久 高志氏)

※本内容は2025年8月時点のものです
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